知事・外相会談 「県外」の声無視 姿勢鮮明

会談する仲井真弘多知事(右)と松本剛明外相(左)=28日、県庁

 外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)開催前に就任後初来県した松本剛明外相。仲井真弘多知事との会談で、2プラス2の来月下旬の開催とその場での代替施設の工法決定方針を伝えた。辺野古移設を「事実上不可能」と県外移設を求める知事に対し、事実上「理解を得られずとも進める」との通告だ。「完全な擦れ違いだ」。仲井真知事は会談後、憤りを隠さなかった。会談直前の県庁知事応接室で、報道陣に資料が配布された。「外務省報道発表」と記され、県を訪問する中国人観光客に対し有効期間内なら何度でも使用できる数次査証(ビザ)の発給決定を伝えていた。

“手土産”持参
 県は2週間余り前、沖縄限定の中国人観光客のノービザ化を関係省庁に要請しており、今回の決定はこれに対応したものだった。
 会談で、昨年10月に正式決定した太平洋・島サミットの2012年名護市開催の話題も上がり、松本氏は「宮古島で高校生サミットを開き、高校生に首脳と接点を持っていただきたい」と強調。沖縄への手厚い配慮を示すことで、普天間飛行場移設で沖縄の理解を得たい意図をにじませた。
 制度面で沖縄の声を聞き入れる姿勢を示す一方、基地問題ではかたくなな態度に終始した。
 普天間移設について「昨年5月に日米合意に戻るまでの経緯は本当に沖縄の皆さまにおわびしなければいけない」と述べつつ、あくまで辺野古移設を前に進めることを強調。飲酒運転を「公務」と取り扱う日米地位協定の見直しについても「私自身が指揮をして前に進むように努力したい」と述べるにとどまり、進展のめども示さなかった。

頭越しの決定
 松本氏はこの日、知事との非公開の会談も要望。公開前に知事と1対1で約40分間、非公開会談が持たれた。
 2プラス2を1カ月後に控え、普天間代替施設の滑走路の形状などが県に伝えられたのでは、などと憶測も広がった。
 しかし、仲井真知事は会談後の記者団の取材に対し、「特になかった」と説明。松本氏も記者会見で工法などの話はしていないと述べた。
 県民への十分な説明もなしに、日米両政府で移設の詳細を決めていく方向だ。仲井真知事は「われわれは基本的に(昨年)5月28日で止まっていて、(辺野古移設の話し合いに)入っていない。(共同声明を)見直して(県外へ)移してもらいたいと言っており、その先の話は伺ってもしょうがない」と強調する。
 県は22日から又吉進知事公室長が訪米し「県外移設」実現のため情報収集をするなど「県外」に向けた動きを活発化させているが、政府は沖縄の民意を無視する姿勢をさらに鮮明にしている。(内間健友)