パサデナ・セミナー会(半田俊夫主宰)はこのほど開催した今年初めての講演会で、米国務省外交官・現LA所長のジョージ・ノビンジャーさんを迎えた。1989年に管理職レベルの外交官として勤務を始めたノビンジャーさんは、香港、大阪、パラグアイ、沖縄(那覇)、ソウル、シリアを回り、2010年にロサンゼルス所長となった。講演では22年間の外交官人生を語った。
日本を愛する知日派ベテラン米外交官として知られ、昨年夏に米国務省のLA局ディレクターとして着任した。このポジションにこれだけ日本と関わりが深く、日本に好意的な人が就任することはまれといわれる。
ノビンジャーさんはロサンゼルス郊外グレンデール出身で、オバマ大統領が在学したことがあるオキシデンタル・カレッジ(私立)卒。国務省入省前は高校教師兼水泳コーチ、合唱指揮者としてカリフォルニア州グレンデール(79年~82年)、東京(83年~86年)で勤務。英語、日本語、スペイン語を話し、フランス語、韓国語も一部話せる。家族は日本人の妻美知子さんと、オキシデンタル・カレッジ在学の娘サヤさん。
ノビンジャーさんの沖縄勤務は99年から2001年の3年間で、総領事館・領事兼管理局長だった。沖縄について詳しくは話さなかったが、米軍基地について「沖縄の人々が何を望んでいるかはある程度理解できたが、基地が沖縄経済発展に貢献したことは間違いのない事実だ」と強調していた。
ケビン・メア前沖縄総領事の沖縄差別発言の質問を受けたが「ノーコメント」と多くを語らなかった。
その後娘のサヤさんがフランス語で独唱、透き通るようなボーカルで観客から拍手を浴びた。
(当銘貞夫通信員)