9・11テロと沖縄 中東作戦に在沖米軍 極東条項なおざり

 9・11米中枢同時テロ以降、広大な米軍基地を抱える沖縄で浮かび上がってくるのは、日米両政府や米軍が都合よく在沖米軍基地を使い、駐留の意義付けをする姿だ。日米安保条約の「極東」の枠はなおざりにされ、中東のアフガニスタンやイラクに在沖米軍基地から派兵。最近では、日米両政府が中国などを「脅威」とみなし、「抑止力」として在沖米軍基地の重要性を説く姿勢が目立つ。

一方、同時テロ後に沖縄への観光客数が大きく落ち込むなど、県民生活への影響はより鮮明になった。
 在沖米軍基地からアフガンやイラクへの派兵をめぐっては、日米安保条約における極東条項についての問題のほか、日米での「事前協議」の問題がある。
 同条約は、在日米軍基地からの戦闘作戦実施の場合、日米で事前協議をすると定められている。嘉手納基地のF15戦闘機が2003年3月のイラク戦争前からイラク南部で任務に就き、開戦後は24時間態勢の空対空作戦を実施。また在沖海兵隊3千人が04年2月にイラクへ派兵されるなどしたが、事前協議は行われなかった。
 政府は「米軍が別の任務を有して日本とほかの地域を移動するのは問題ない」(沼田貞昭外務省沖縄大使)との認識を繰り返した。
 テロ発生後、在沖米軍基地の警戒レベルが上がり、基地警備体制は強化。原潜の寄港情報の報道機関への事前通告は非公表となった。テロに対して、米軍基地が持っているとされる「抑止力」が効かず、むしろ住民が巻き込まれる可能性があることが浮き彫りになった。
 一方、米国はその時々で敵対視する国を代え、今では中国や北朝鮮を念頭に「抑止力」としての在沖米軍基地の重要性を強調している。
 日本は「脅威」や「抑止力」をあいまいにし、矛盾を含みながらも米国に追従するように自衛隊を南西地域強化へシフトしている。
 沖縄が強く求めている普天間飛行場の県外移設はこれら日米の壁に阻まれている状況だ。(内間健友)