社会

2万2千人「静かな夜を」 第3次嘉手納訴訟始まる

横断幕を手に、静かな夜を取り戻す3度目の闘いに向かう原告団=20日、沖縄市

 米軍嘉手納基地に離着陸する米軍機の夜間、早朝の飛行差し止めと損害賠償を国に求めるため、同基地周辺の2万2058人の住民が原告となった第3次嘉手納爆音訴訟の第1回弁論が那覇地裁沖縄支部(遠藤真澄裁判長)で行われた。

原告・弁護団は意見陳述で爆音被害を訴えた。国側は飛行差し止め請求の棄却を求め、損害賠償については過去分は棄却、将来分は「不適法」な請求として却下を求めた。
 第1回弁論では、住民側弁護士がこれまでの判決で爆音が違法と認定されたにもかかわらず抜本的な対策を講じてこなかった国の姿勢を批判した。
 米軍機の飛行は日本の支配が及ばず制限はできないとする「第三者行為論」を第3次訴訟でも国が主張してきたことに対し、(1)米軍基地として領土を提供し、領空を飛行させているのは日本が許容するから(2)日米安保条約や法令は飛行制限の可否判断の絶対のよりどころにはならない。条約などの改正も踏まえて考えるべきだ―などと反論。日本は米国と共に国民の権利を侵害しているとして、差し止めの義務を負うと主張した。
 原告の意見陳述では、新川秀清原告団長が、日米間で合意された騒音防止協定が守られていない状況を批判し「構造的差別で押し付けられた米軍基地が日米の安全保障に不可欠なら、日本の安全は沖縄にとっての危機だ」と訴えた。嘉手納基地を取り巻く市町村の原告団を代表して女子高校生を含む原告6人が出廷。いや応なく「日常」に入り込んでくる爆音によって身体、精神に甚大な被害を受けたとして「静かな夜を返して」とそれぞれが訴えた。
 第1次訴訟から住民と共に闘う弁護団長の池宮城紀夫弁護士は「不条理な沖縄の現実を直視し、国に対し厳しく対処してほしい」と裁判官に訴えた。
 国側からの意見などはなく、答弁書を提出したのみだった。第2回弁論は1月19日に開かれる。