【アメリカ】沖縄の島 歌で紹介 ニューヨークで音楽会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
リサイタルを終えた(後列左から)久保順さん、東間ゆりさん、(前列左から)長野智佳さん、長浜順子さん=ニューヨーク・クイーンズ地区

 静かな琉球民謡ブームが起きているニューヨーク・クイーンズ地区で、このほど読谷村出身で宮城流能松会所属の長浜順子フィッシャーさんら女性3人による「日本と沖縄の音楽会」が開かれた。琉球芸能指導者が数少ないアメリカ東部方面で、順子さんは指導と普及に懸命だ。

 順子さんは、今回の音楽会を「島々の歌」とテーマを決め、宮古の方言(宮古ぐち)、八重山の方言(やいまくとうば)、沖縄本島の方言(うちなーぐち)とともにそれぞれの島の文化を紹介し、ソロの三線と唄で、「多良間しょんがね」、「ついんだら節」を披露した。
 古典三線演奏は野村流優秀賞受賞で、神奈川出身の長野智佳さんが仲風節、月ぬ美しゃ、安里ーやをソロで、笛とフルートを久保順さん(ジュリアード音楽大卒、現在ニューヨークコンサバトリー音大にてフルート講師)が、砂山、夕焼け小焼けをフルートで演奏した。
 後半は、3人によるコラボレーションとして長野さんと順子さんの三線共演で、国頭ジントーヨ、パラダイスうるま島を披露。フィナーレは、てぃんさぐぬ花(長野の三線、久保の笛、長浜の歌)で締めた。東日本大震災の被害に遭われた方々を慰める歌として、順子さんは「故郷」を選曲し、久保さんのフルート演奏にのせて、観客も交えて合唱した。歌っている最中、ある日本人の男性が、客席で目頭を押さえる姿も見られた。
 司会はボストン在住で、母が沖縄出身(母親もボストン在住)沖縄2世の東間ゆりさんが担当。車で片道4時間かけて司会のために、ニューヨークまで足を運んだ。
 順子さんは「古典と民謡を上手に歌えて演奏できる人は、ニューヨークでは極めて少なく、民謡系の人が圧倒的に多い。私自身、今回のプログラム開催に関しては大変満足している」と感想を述べた。
(当銘貞夫通信員)