オスプレイエンジン停止時 滑空も軟着陸も困難

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの特殊な構造が緊急着陸の際に危険を招くことが次第に明らかになってきた。機体は名前の通り、離着陸の際はヘリコプターのように垂直に移動し(ヘリモード)、水平飛行の際はプロペラを前に向けて飛行機のように飛行する(固定翼機モード)。ところが、エンジンが止まる不測の事態が生じた場合、どちらのモードを使っても安全に着陸することが困難になる。

 騒音問題などに加え、軍用機に付きまとう緊急着陸時の安全性もオスプレイ配備をめぐる重大懸案に浮上した。
 通常ヘリコプターはエンジンが止まった場合、プロペラで自然に下降する「オートローテーション(自然回転)機能」を使って軟着陸を目指す。米軍普天間飛行場への配備を見据える政府もこの機能を根拠に安全性を強調してきた。
 ところが、ヘリモードでは、未積載時の自重量が15トンを超えて重いMV22はプロペラで機体を支えることができない。米タイム誌は米国防分析研究所の「オスプレイは恐ろしい降下率で地面にたたきつけられる」とした2003年のリポートを報じている。
 製造者やパイロットの証言であらためてオートローテーション機能の不十分さが浮き彫りになったが、固定翼機モードでグライダーのように滑空しても、前方を向いている直径11・5メートルのプロペラが地面に接触し飛散する可能性が高い。
 住宅密集地に隣接し、就任から日が浅い田中直紀防衛相が何度も「世界一危険」と発言している普天間飛行場は、広大で住宅地と離れた米本国の航空基地とは危険性の度合いも異なる。
 在日米軍を監視する市民団体「リムピース」の頼和太郎氏は「政府はオートローテーション機能があるとしているが、機能があっても安全に降りられないことは明白だ」とオスプレイの危険性を指摘している。
(増田健太)