政治

県議選後、埋め立て申請 辺野古移設

 【東京】政府は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う埋め立てについて、6月10日投開票の県議選以降に仲井真弘多県知事に対して公有水面の埋め立て承認申請を行う方針を固めた。検討していた県議選前の申請は見送る。

 政府は(1)2011年末に県側に提出した環境影響評価書に対して県知事意見が多数付されて補正に当初の見込みよりも長期間を有する可能性がある(2)埋め立て申請が県議選中に批判を浴び、党派を超えた「県外移設」を求める県内世論がさらに強固になり、日米合意実現がさらに遠のく恐れがある―と判断した。
 米政府は2012会計年度予算から辺野古移設と一体(パッケージ)とされる在日米海兵隊のグアム移転関連経費を全額削除。グアム移転計画の詳細の提出や普天間問題の目に見える進展を示すなど、議会が設定した条件をクリアできなければ13会計年度で予算が復活する可能性は低い。
 米側でグアム移転費が2年連続で削除された場合、現在の普天間移設とグアム移転を定めた06年の日米合意は事実上死文化する。そうした事態を避けるため、日本政府は「現在の日米合意は少なくとも全体としては沖縄の負担軽減につながる」(野田佳彦首相)と強調し続け、当面は夏までの埋め立て承認申請、年内の承認獲得を目指して手続きを進める方針だ。
 グアム移転関連予算をめぐっては、春ごろから米政府と議会の協議が本格化する見通し。日本政府は米側の動きに合わせて夏までに埋め立て申請を行い、米側に求められている「具体的な進展」を示す方針。その際にかつて条件付きで辺野古移設に賛成していた自民県連、公明県本などが県議選で過半数を獲得していることも米議会への説得材料の一つとして提示したい考えだ。
 ただ、県議選では各党とも「県外移設」を掲げる見通しで、仲井真県政が与党多数になっても、仲井真知事が埋め立てを承認する保証は全くない。
 政府内では、12年度予算案で県側の要望を受け入れて大幅に上積みした沖縄振興予算について、13年度以降も同等額の予算規模を維持することを示唆して仲井真知事に埋め立ての承認を迫る事実上の「リンク論」も検討されている。