防衛相・知事会談「固定化回避」で迫る 「返還前進」明言せず

 軍転協(県軍用地転用促進・基地問題協議会)の要請に続き、18日に2日連続となる異例の会談に臨んだ田中直紀防衛相と仲井真弘多知事。「申し上げたことが1日で変わるものではない」(又吉進知事公室長)会談だったが、日米が始めた米軍再編見直しの機会に「普天間の固定化回避」「沖縄の負担軽減」を前面に打ち出して、名護市辺野古への移設に対する県民の理解を得ようとする政府と、嘉手納基地より南の基地返還を前進させたい県の姿勢の違いが浮き彫りになった。

 会談は防衛省の強い求めで冒頭のみ報道陣へ公開された。田中氏が紙を読み上げる。「日米両国は日本およびアジア太平洋地域の平和と安定を継続しコミットしていく」。仲井真知事が普天間の固定化回避を求めると「固定化はしない」と繰り返した。

■期限なし

 だが、日米両政府が方針を変えない辺野古移設への県内の反対世論は強固で、県も一貫して県外移設を求めている。県外移設を検討する姿勢が政府にない中、田中氏が強調する「固定化回避」も見通せない。
 さらに、政府が沖縄の負担軽減策としてアピールしたい嘉手納より南の5基地の全部や一部返還について、普天間移設とのパッケージから切り離して実施する方針について、田中氏は会談で時期などについて一切明言しなかった。
 再編見直しに関して今月上旬にワシントンで開かれた審議官級協議で、キャンプ瑞慶覧と牧港補給地区の一部に関して出た“早期”の文言も出なかった。
 田中氏は会談後の記者とのやり取りで、パッケージから普天間の辺野古移設の切り離しは明言したが、在沖海兵隊8千人の移転と嘉手納より南の基地返還の実施が関連するのか、しないのかを問われ「これからの交渉事」と言葉を濁した。

■能動的に

 2日連続の知事-防衛相会談で軍転協の要請が先だったことについて、又吉公室長は米軍再編見直し発表後、知事要請を政府に申し入れた経緯をこう明かす。「どちらが先かというのが実はあって、県側を優先していただけないかと伝えた。県としてはある種の決意を持って、能動的にコミットしたいということだ」
 ただ、この日、田中氏側が会談の非公開を求めてきたものの、進展した話はなかったという。「公にできないような(前進した)情報が盛り込まれるという、ある種の期待感はあった」(又吉公室長)県は、肩透かしを食らった格好だ。
 26、27日に予定される野田佳彦首相の来県を前に、辺野古移設に少しでも理解を得るための「露払い」的な防衛相来県に映る。
 仲井真知事は会談後、報道陣に在沖海兵隊の8千人移転などの着実な実施を求めていることを強調した上で「結果がどういうふうに出るかということだ」と述べ、閣僚と首相来県を重ねるなら、具体的な負担軽減の結果を出すよう求めた。(内間健友)