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オスプレイ、本島全域を飛行 伊江島の訓練4000回増

 防衛省は13日、米軍普天間飛行場への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備に向け、米海兵隊が実施した環境審査(レビュー)書を県と宜野湾、浦添両市に提出した。同書では「オスプレイ配備および運用の実施から、いかなる重大な環境問題も生じない」と結論付けた。

しかし、同時に示したデータなどから、伊江島補助飛行場での年間訓練回数が現行のCH46中型輸送ヘリコプターの2880回(2010年)から2・3倍の6760回に増えることなど環境負荷が高まることが分かった。事故率は海兵隊平均の「2・47」より低い「1・12」と提示したが、今年4月にモロッコで発生した墜落事故は含まなかった。運用施設はほかに北部訓練場と中部訓練場(キャンプ・ハンセン、シュワブ)、嘉手納飛行場が明記され、県内全域にオスプレイが飛ぶことも示された。
 普天間飛行場での年間運用回数はシミュレーター使用などで過去平均より11%減少するとしたが、夜間早朝(午後10時~翌午前7時)の飛行はCH46の76回から、オスプレイは3・7倍の280回と増加する。
 伊江島補助飛行場でCH46が実施している、飛行場を空母などに見立て離着陸する陸上空母離着陸訓練(FCLP)が、同基地の年間の全訓練の37%に当たる約2500回実施される。また北部訓練場でCH46が実施している低高度(地上15メートル~61メートル)の飛行訓練も行われる。
 北部訓練場と中部訓練場で訓練が減り、県内全体の既存の着陸帯での訓練は、現状より12%減少するとしている。北部訓練場で新たに建設する東村高江側の着陸帯でも運用する。嘉手納基地には弾薬補給のため年1200回程度飛来する。
 環境への影響として北部訓練場で国の天然記念物のヤンバルクイナとカラスバトに潜在的影響を及ぼす可能性を指摘している。
 03~11年の10万飛行時間当たりの事故率は海兵隊平均より低いとしたが、モロッコの事故は含まなかった。ただ防衛省が別に提出したデータ集では、モロッコの事故を含み事故率「1・93」としている。
 県内で騒音問題となっているヘリ特有の低周波音について、環境審査で直接調べず、防衛省が実施する普天間飛行場代替基地建設に関する環境影響評価のデータを用いた。また、代替基地建設予定地の名護市辺野古に関しては審査対象としていない。
 同機種はキャンプ富士(静岡県)と岩国飛行場(山口県)へ飛来する。

英文へ→Marine Corps to operate Osprey aircraft all over Okinawa


米軍普天間飛行場に配備される予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ=2005年7月、米国東部海岸