政治

オスプレイ高重量で墜落リスク モード転換時 急激降下

 【米ワシントン19日=松堂秀樹本紙特派員】米軍普天間飛行場への配備計画が進められている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが、強みとされる搭載能力の高さが原因で墜落する可能性があることが分かった。本紙が入手したオスプレイのフライトマニュアルに記載されている。

マニュアルでは高い重量の搭載時にエンジンが停止し、滑空のため飛行機モードに転換した場合、急激に降下して墜落する危険性があると指摘。墜落を避けるため転換モードでできるだけ上昇するよう求めている。
 回転翼の揚力で着陸できるようにする「オートローテーション(自動回転)」機能が2002年に同機の開発推進条件から削除されていたことは05年に本紙などが報じたが、09年の米議会調査局(CRS)が報告書であらためて指摘していた。
 防衛省が作成したオスプレイ配備に向けた小冊子は搭載貨物量を比較し、オスプレイの内部搭載量は9100キロ(CH46は2300キロ)、外部搭載量が5700キロ(CH46は2300キロ)と記している。
 日本政府はオスプレイ配備について「(CH46中型輸送ヘリと比べ)速度は2倍、搭載量は3倍、行動半径は4倍と高性能。抑止力が高まる」(玄葉光一郎外相)と有用性を強調。米海兵隊は「オスプレイはエンジン停止時にオートローテーションに頼らず、飛行機モードで滑空できる」としている。
 だが、フライトマニュアルは「エンジン停止時、高重量を搭載した状態で飛行機モードに転換すると、高度を失って結果として地面に衝突する可能性がある」と指摘している。
 搭載能力が格段に向上すると強調されているにもかかわらず、非常時の滑空の際に高重量に耐えられず墜落する危険性が高まる矛盾が浮き彫りになった。
 議会調査報告によると、オスプレイは00年4月と12月に墜落事故が相次ぎ、飛行停止措置が取られ、コーエン国防長官(当時)が調査委員会を設置。だが、同委員会は「ティルトローターの技術に基本的な欠陥はなく、開発を継続すべき」と結論付けた。02年5月に試験飛行が再開された際、海軍省はオートローテーションや生物化学兵器などへの防御などの機能が必要条件から削除されていた。