「絆」継ぐ 熱い議論 世界若者ウチナーンチュ大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
国際会議で6グループに分かれて議論する「第1回世界若者ウチナーンチュ大会」の参加者=28日、プラジル・サンパウロ市議会

 ブラジルのサンパウロ市議会で28日に開かれた「第1回世界若者ウチナーンチュ大会」の国際会議では、次世代を担う若者らが白熱した議論を繰り広げた。

 参加者は計六つのグループを結成。日本語や英語、ポルトガル語、スペイン語で、留学制度の充実やグローバルビジネスの強化など次々とアイデアを出し合った。
 「今、私たちが取り組まなければ、教員派遣制度の再開がいつまでも先延ばしにされる」。新文化の創造について話し合うグループからは、県が本年度で廃止を決めたボリビアへの教員派遣制度の復活を訴える声が次々と上がった。ペルー3世の比嘉アンドレスさん(31)は「県系社会から沖縄文化が消えてしまう。各国県人会が資金面で協力し合ってでも継続させるべきだ」と話した。
 「ウチナーグチを話せたらかっこいいと考える若者が増えてきた」。言語の具体的な普及方法を話し合うグループの2、3世らは、方言に対する県系若手の意識に変化が見られていることを紹介した。伝統芸能と比べ、言語は継承されにくいことから「ウチナーグチ大会」の開催など、習得した方言を発表する場をつくる必要性について話し合った。
 ネットワークの活用を生かしたビジネスの強化について話し合うグループからは、県系人が社会から信頼されていると指摘し「人脈を広げる大きなチャンスがある」との声が上がった。フェイスブックを使った情報共有の強化を進めることも話し合った。
 ボリビアから参加した1世の安里直也さん(22)は「次につながる第一歩を踏み出せたと思う。頑張っている世界の仲間たちの姿に刺激を受けた」と大会を振り返った。(安原亜紀子ブラジル通信員)