社会

市町村全額負担か 3ワクチン定期接種化

子宮頸がん、インフルエンザ菌b型(ヒブ)小児用肺炎球菌の3種類ワクチン接種費用

 厚生労働省は2013年度から子宮頸(けい)がん、インフルエンザ菌b型(ヒブ)、小児用肺炎球菌のワクチンを事実上無料の定期接種にする方針だが、現在国が半分近く負担している費用が市町村の全額負担になる可能性が高いため、県内市町村は負担増への懸念を強めている。

中でも人口の多い那覇市の3ワクチン接種費用総額(11年度決算額)は国負担も含め約5億9200万円。定期接種になれば、同規模の額が全額市の負担になることが見込まれる。このため那覇市は市財政を圧迫するとして国の一部負担を要望している。
 県も市町村の懸念の声を受けて都道府県の福祉保健部長らでつくる全国衛生部長会を通し、3種のワクチン接種費用を国が全額負担するよう求めている。
 3ワクチンは10年11月から12年度までの時限措置として接種費用が公費助成され、現在は国が45%、座間味村を除く全市町村が残りの55%を負担し、利用者は無料で接種している。3ワクチンは若い女性に増えている子宮頸がんと乳幼児にとって深刻な細菌性髄膜炎などを防ぐ。ヒブと小児用肺炎球菌は0~5歳未満が助成の対象。
 予防接種法は、接種を受ける人から実費徴収できるとしているが、定期接種は接種機会を等しく保障するため市町村が接種費用のほぼ全額を負担しているのが現状だ。
 那覇市の担当者は定期接種の必要性を認める一方で市の費用負担が増えることを懸念し「(現在、無料で接種してもらっているので不足分を)市民から徴収することはできない。どこの市町村も財政が厳しいので、持ち出し分を少なくするため国負担分の45%を維持してほしい」と要望する。
 浦添市は11年度決算で、接種費用総額が約2億5400万円。担当者は「(13年度以降)地方交付税で一部国が負担するとしても、接種実績に対する明確な金額が示されないため(国の負担分は)不透明だ。今の助成事業を延長してほしい」と求めた。うるま市の11年度の接種費用総額は約2億2500万円だった。

<用語>定期接種
 感染症の発生や、まん延を防ぐため、予防接種法に基づき、市町村が行うワクチンの接種。対象の病気には、ジフテリア、百日ぜき、ポリオ(小児まひ)、はしか・風疹、日本脳炎などが含まれる「1類」と高齢者の季節性インフルエンザを対象にした「2類」がある。接種費用について、国は低所得者層の接種費用を地方交付税に計上して負担している。1類には接種を受ける努力義務がある。同法に基づかないものは任意接種と呼ばれ、費用は原則、自己負担。