政治

普天間で計測せず 通達明記のエンジン調整音

 長時間にわたる軍用機騒音を重く評価した上で航空機騒音のうるささ指数(W値)を算出するよう定めた防衛省通達の「継続時間補正」の対象に、エンジン調整音が「含まれる」と認識しているにもかかわらず、沖縄防衛局はその元データとなる米軍普天間飛行場でのエンジン調整音の発生状況を計測していないことが9日までに明らかになった。

 県に提出された普天間飛行場代替施設建設の環境影響評価(アセスメント)の評価書で、沖縄防衛局が航空機騒音のW値を自ら定めた通達に従わずに過小評価していたが、住民生活に直結する騒音問題で通達に沿わない対応が新たに判明し、アセス自体の信頼性を一層揺るがしている。
 防衛局はエンジン調整音を計測していない理由について、「現行の『環境基準』においては評価の対象としていないため」と説明した。一方、同問題を調査してきた京都大の松井利仁准教授は「『環境基準』は民間空港について定めた別の制度だ。防衛省はホバリング音やエンジン調整音が頻繁に発生する軍用空港の特性を反映させるため、通達で独自のW値算出法を定めている」と指摘。「環境基準を持ち出して計測しないのであれば、何のために通達が存在するのか」と批判した。
 防衛局は評価書の航空機騒音の予測・評価は「通達に準じて行っている」と本紙に回答している。
 エンジンテスト音をめぐっては、アセス準備書への知事意見で時間帯ごとの発生回数、騒音継続時間を示すよう求めていたが、計測していない実態は知事意見にも応えていない形となる。(島袋良太)