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オスプレイ制御コンピューター操縦指示従わず 墜落恐れも

 【米ワシントン17日=松堂秀樹本紙特派員】米軍普天間飛行場で本格運用が予定されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが、操縦ミスで失った制御を取り戻そうと操作しても、低速飛行時はフライトコンピューター(操縦制御装置)が操縦士の指示に従わず、そのまま墜落する可能性が高いことが分かった。国防分析研究所でオスプレイの主任分析官を務めたレックス・リボロ氏が本紙の取材に対し明らかにした。

リボロ氏は4月にモロッコで発生した墜落事故について「オスプレイは低速飛行時に機体の安定性を保つためパイロットの操縦を無視するよう設定されている。追い風とナセル(エンジン部)の過変調が重なって制御を失ったこの機種特有の事故で、今後も繰り返し起こるだろう」と指摘した。
 海兵隊はオスプレイの安全性について「コンピューターが毎秒何万もの情報を集積し、機首を正しい方向に向けたり、自動でバランスを取ったりしている」と説明しているが、高性能のコンピューターで制御されたオスプレイが人為的ミスや強風などに弱いことがあらためて浮き彫りになった。
 モロッコの事故調査結果について17日に発表した海兵隊航空部門のシュミドル副司令官も「追い風で機首が下がっているのに気付かず、ナセルを前方に急速に傾けすぎたのが事故の原因だ」とした。その上で、コントロールを失った機体を操縦かんで制御できなかったのかとの質問に対し「ナセルの位置にもよるが、今回のような場合(ヘリモードから飛行機モードへの転換時)、パイロットに十分な権限がなく、操縦かんを引いても機体を制御する動作が伝達できない」と説明。離陸直後の操縦ミスから回復できなかったことを示唆した。
 リボロ氏によると、オスプレイは操縦士がフライトコンピューターに飛行方法を入力することで、コンピューターが100%の権限で機体を制御。コンピューターは通常の飛行条件下では操縦士の指示通りに飛行するが、低速飛行など非常時の飛行の場合、機体の安定性を保つため操縦士の指示を無視するよう設定されているという。
 リボロ氏は米軍普天間飛行場にオスプレイが配備され、同様のトラブルが発生した場合について「滑走路の直近で発生するもので、基地周辺の住民に危険は及ばないだろう」との認識を示した上で、「人為ミスによる事故だが、操縦士の注意不足や疲れなどで発生しやすい類いのものだ。今後も繰り返し発生するだろう」と指摘した。

英文へ→Osprey’s flight control computer possible cause of crash