社会

基地理解は「無理」 知事、日米に抗議 米兵集団女性暴行

 【東京】仲井真弘多知事は17日、米海軍兵による集団女性暴行致傷事件を受け、在沖米軍基地について「日本全体の安全保障のために必要だと言われても、(理解は)無理な話だ」と述べ、頻発する米兵事件によって米軍基地の維持が難しくなっていると厳しく指摘した。

首相官邸で斎藤勁官房副長官に抗議した後、記者団に語った。県議会米軍基地関係特別委員会(新垣清涼委員長)が「(基地)返還の促進」を初めて盛り込んだ抗議決議案を全会一致で可決した。事件が発生した本島中部の首長や県内政党、市民団体による抗議行動も波状的に始まり、県民の反発が一層強まっている。
 仲井真知事は記者団に「同盟国の軍隊なのか、反問したくなる。米兵は日本の法律で罰せられないことをよく知っているから、行動する」と指摘。政府に日米地位協定の改定を要望するものの「まったく結果が出ていない」と批判した。繰り返される暴行事件に「沖縄の人の気持ちが離れてしまう。そうすると基地が成り立たなくなる」と述べ、日米同盟を揺るがしかねないとした。
 仲井真知事は、森本敏防衛相、吉良州司外務副大臣、ルース駐日米大使にも同様に抗議した。
 仲井真知事は森本氏に対し「正気の沙汰ではない。米側に綱紀粛正という生易しい言葉ではない厳しい対応と、県警への捜査協力を強く申し入れてほしい」と述べ、米側に厳正対処を申し入れるよう求めた。森本氏は「極めて悪質で卑劣な事件だ。日米安全保障体制や県民の米兵に対する信頼を損なう。事態は非常に深刻だ」と述べ、早期に日米合同委員会を開催し、米兵への指導の徹底を求める考えを伝えた。
 抗議されたルース大使は「申し訳なかった」と謝罪し、「重く受け止め、捜査に全面協力する」と応えた。吉良氏は再発防止について「早く結論が出るよう対処したい」と強調。ただ、知事が強く求めた地位協定の改定については言及せず、藤村官房長官は会見で「むしろ運用の問題だ」とし、否定的見解を示した。野田佳彦首相は官邸で記者団に、事件について「あってはならないことだ」と指摘した。仲井真知事は那覇市内で記者団に対し、訪米の際、米政府に対し地位協定改定をあらためて強く求める考えを示した。