狂言 60年ぶり復活 波照間中生、島の先輩から太鼓判


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復活したコンギ(狂言)を披露する波照間中学校の生徒=10日、竹富町波照間島の波照間小中学校

 【波照間島=竹富】幼小中学校合同文化・学習発表会が10日、波照間小中学校(仲底善章校長・園長)で開催された。中学生が演じた「メーヌムラ ヌ イスィパンコンギ(前村の一番狂言)」が、話題を呼んだ。

 コンギ(狂言)は、お盆に行われるムシャーマで東組、西組のコンギシャ(狂言方)によって演じられる方言劇。以前は何番もあり、東、西、前のそれぞれの組で演じていた。
 しかし、後継者不足から前組の演目は約60年前を最後に途絶え、台本のみが『波照間島のムシャーマ』という文献に残っている。
 これを中学生が復活することになり、若いころに演じたことのある前集落のブヤー(おじいさん)3人、大泊勇一さん(84)、新盛良政さん(85)、小成善幸さん(80)に指導を受け、2週間の猛練習の末、上演にこぎ着けた。
 男子6人、女子2人の生徒たちは使い慣れない方言のせりふ、言い回しを丁寧に指導され、劇中で踊る舞踊の振り付けも学び、当日を迎えた。
 前日の最終練習の際、指導者の大泊さんから「このコンギはもう、波照間中学校のものになったのだから、自信を持ってやりなさい」と励まされ、当日は堂々とした演技で観客から大きな拍手が送られた。
 主役のシャマカタ(兄方)を演じた生徒会長の前迎隆博君(15)=中3年=は「今回、波照間の伝統文化を学び、これからも大切にしていきたいと強く思った」とお礼を述べた。(新城あやこ通信員)