嘉手納爆音 米も提訴 新法施行後で全国初


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 国に対して夜間、早朝の米軍機の飛行差し止めと損害賠償を求めている第3次嘉手納爆音訴訟団は22日、沖縄弁護士会館で記者会見を開き、日本政府に対する訴訟に加えて米国政府に対して飛行差し止めと総額2億1600万円の損害賠償を求めることを明らかにした。

今月30日に那覇地裁沖縄支部へ提訴する。対米訴訟は2000年の飛行差し止めを求めた第2次訴訟以来2度目。
 今回の対米訴訟では、09年に施行された外国政府などに対して主権免除(裁判権からの免除)されない場合を規定した「外国等に対するわが国の民事裁判権に関する法律」を法的根拠とし、騒音被害と飛行差し止めを求めていく。同法施行以降、全国の爆音訴訟で対米訴訟を起こすのは初。
 同訴訟団によると、対米訴訟には第3次訴訟の原告約2万2千人の中から144人が参加。基地周辺に住む住民で耳鳴りや難聴、高血圧などの健康被害を訴え、米政府に対して夜間、早朝の米軍機の飛行差し止めと損害賠償を訴える。
 2000年の対米訴訟では米国側へ訴状が送達されず、弁論が一度も開かれないまま05年に「外国国家の主権的行為については、民事裁判権は免除される」とする主権免除の原則により、訴えが却下されている。