オスプレイ、来月上旬に本格運用 米司令官言及


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 在日米軍のサルバトーレ・アンジェレラ司令官(空軍中将)は29日、東京都の米軍横田基地で共同通信などとのインタビューに応じ、米軍普天間飛行場に配備された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの本格運用開始が12月上旬になると述べた。

一方、県内では同日、県庁で県と関係市町村によるオスプレイの運用状況に関する会議があり、県と自治体の調査で、日米合同委員会で合意した安全確保策が守られていない飛行があると確認した。本格運用開始で、訓練が激化し合意逸脱の飛行がさらに増える可能性がある。
 会議には県と13の関係市町村が出席した。県と基地を抱える市町村でつくる県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)として、オスプレイの運用が日米合意に違反していないか調査確認するよう政府に要請することも決めた。
 県と那覇、浦添、宜野湾、名護の各市は、10月1日の沖縄配備以降、米軍が米軍施設・区域周辺での飛行経路について可能な限り学校や病院を含む人口密集地上空を避け、可能な限り海上を飛行するとした日米合意の違反を指摘した。
 伊江村は、オスプレイが伊江島補助飛行場でタッチアンドゴー訓練を実施し粉じんを巻き上げていることを報告。宜野湾市は激しい騒音が出ていると報告した。自治体から飛行写真や動画の提供もあった。
 県の古波蔵健基地防災統括監は会議後、記者団に「担当者が現場で見た限り、合意から多分に外れている部分がある。午後10時以降の夜間飛行訓練もある」と述べた。
 アンジェレラ司令官は、沖縄のオスプレイ部隊が実際の任務遂行のための「完全な運用能力」を備えるのは必要な訓練の完了後だと説明し、時期は「12月上旬を予定している」と述べた。近く低空飛行訓練などを実施するとみられる。また、相次ぐ米兵事件を受け日本全国の米兵を対象にした深夜外出禁止令について「納得するまで続ける」とした。

MV22オスプレイの飛行運用状況
アンジェレラ司令官