那覇で異臭12人搬送 発生元特定できず警戒


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 29日午後2時3分ごろ、那覇市旭町の南部合同庁舎付近で、「ガスの臭いがする」との119番通報が那覇市消防本部に相次いだ。消防車と救急車計8台が出動し、異臭による体調不良を訴えた男女12人が病院に搬送された。同消防によると搬送された12人で意識不明や嘔吐(おうと)した人などはいないという。

うち2人が検査入院しているという。消防や警察、ガス会社の職員らが約3時間、現場周辺を調査したが、ガスは検知されず、発生元も特定できなかった。引き続き、消防が現場周辺を警戒している。
 現場は南部合同庁舎近くで、マンションや商業ビル、ホテルなどが並ぶ。多くの消防隊員や警察官が駆け回る騒然とした雰囲気に付近マンションの住民や通行人は不安そうに捜査を見詰めていた。また、12人が搬送されたビルの1階では口元にハンカチを当てて、うつむいて座っている人もいた。
 消防によると午後2時10分ごろに隊員が現場に到着した時にはガスのような臭いを確認したという。県警や消防が二次被害を防止するため現場周辺の交通を一部規制したほか、付近住民に火を使わないよう消防車などから呼び掛けた。
 現場付近で異臭に気付き消防へ通報したというビル清掃員の男性は「午後2時前ごろから、ガスの臭いがし、あまりにも強い臭いで気分が悪くなる人もいた」とこわばった表情で話した。

強い異臭で体調不良を訴える人たち=29日午後3時40分ごろ、那覇市旭町
異臭騒ぎがあった現場