東屋部川を観光資源に 名桜大、区民らと活用保全議論


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東屋部川の活用について、フロアの参加者と討論するパネリストら=11月30日、名護市屋部支所

 【名護】「東屋部川の今後の活用・保存・環境整備について考える」シンポジウム(名桜大学・新垣裕治ゼミナール主催)が11月30日、名護市役所屋部支所で開かれた。区長や学生、観光協会、ツーリズム関係者ら約30人の参加があり、観光資源としての可能性を再確認するとともに、住民主体による保全・活用の仕組みづくりが提案された。

 名護博物館主査・学芸員の山本英康さんが屋部川の環境の移り変わりを説明。名桜大国際学群観光産業専攻の桑原稔さんは「カヌーや干潟観察などの体験を通し、地域の人が身近に感じるようになった。思ったよりきれい、屋部川をきれいにしたい、とマイナスからプラスイメージに変わった。地域の観光資源の可能性について、ポテンシャルの高さを確認することができた」と報告した。
 屋部川“七色”にじまつり実行委員長で名護市議の岸本洋平さんは「地域の方が屋部川を好きになり、愛情を持った川にするために、祭りの継続や自然と共生、共存できる将来構想をつくっていく」と語った。
 エコツーリズムの先進事例として、東村のやんばる自然塾代表の島袋徳和さんは、慶佐次川での経済効果を紹介し、成功のポイントに「地域が主体性を持つには、まず自分たちにとって本当に必要かどうかという、地域住民の合意形成、自然、環境を守る意識付けが必要」と強調した。
 さらに仕掛け人の存在や県指定文化財の久護家、フクギ集落など周囲の地域資源も活用する総合的な地域づくりの視点が大切だと述べた。(宮城良勝通信員)