<金口木舌>しまくぅとばと沖縄芝居


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 2013年も1週間が過ぎた。「一年の計は元旦にあり」というが、今年こそは、正月に立てた目標を達成したい

▼年齢を重ねるごとに、1年があっという間と感じる。まさに「光陰矢のごとし」だが、このことわざは、しまくとぅばで「月の走りは馬の走り(ちちぬはいや んまぬはい)」と言うそうだ。本紙新年号の「御万人(うまんちゅ)一首」で紹介されている
▼恥ずかしながら、この中で知った沖縄のことわざもある。那覇市の「ハイサイ・ハイタイ運動」ではないが、言葉は使ってこそ生きる。しまくとぅばを学ぶだけでなく、多くの場面で使っていくことが大切だ。「言葉は銭使い(くとぅばや じんじけー)」のことわざ通り、大事に使っていきたい
▼しまくとぅばが命と言えるのは沖縄芝居だ。新年号には、若手実演家が切磋琢磨(せっさたくま)する「沖縄芝居研究会」の立ち上げも紹介された。沖縄芝居の継承は、そこに詰まった沖縄の文化、原風景をも継承する重要な試みだ
▼若手実演家たちの「自分たちが80歳、90歳になってもこの芸能を残していかないといけない」との思いは、私たちへの問い掛けにも聞こえた。継承のためにも、しまくとぅば、沖縄芝居、舞踊、民謡などを日常の中に生かしていきたい
▼「一年の計」に、沖縄芝居の鑑賞の機会を増やすということを追加してみたい。そしてその面白さをしまくとぅばで伝えてみようと思う。