振興予算満額確保を 知事、安倍首相に要請


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 【東京】仲井真弘多知事は8日午後、首相官邸で第2次安倍内閣発足後、初めて安倍晋三首相と会談した。知事は、民主党政権が9月にまとめた2013年度沖縄振興関連予算3045億円の満額確保と、那覇空港の第2滑走路を早期に着工し、工期を7年から5年に短縮するよう求めた。

 安倍首相は明言は避けたが、「沖縄の発展、振興は日本全体の問題だ。沖縄への投資は未来への投資だ」と応じ、知事の要望に真摯(しんし)向き合う姿勢を示した。
 知事らによると、米軍普天間飛行場の返還・移設問題については話題に上らず、知事からも県外移設要望の発言はなかった。
 概算要求に関する知事要請で、首相が応じるのは極めて異例。安倍内閣は日米関係強化を掲げる立場から、沖縄振興を普天間飛行場の名護市辺野古移設推進につなげ、県側の理解を求めたい思惑がある。
 会談で、仲井真知事は「首相に直訴しようと参上した」と前置き。那覇空港の第2滑走路増設については「沖縄の経済を制約しかねない。滑走路増設は県民の総意だ。早く造ってほしい」と求めた。
 安倍首相は「在日米軍基地の多くが沖縄に集中し負担をかけている」と切り出し、沖縄振興への取り組みに意欲を示した。
 ほかに(1)3月末で期限が切れる国内旅客便の着陸料などへの軽減措置継続や、国際旅客便の着陸料などに新たな軽減措置の実施(2)「電源開発促進税」の免税や地方税化-などを求めた。
 首相に先駆けて面談した太田昭宏国交相は軽減措置継続について「延長をしっかりやる」などとし、前向きに検討する考えを示した。ほかに山本沖縄相、麻生太郎財務相、茂木敏充経済産業相にも同様に要請した。