一番街に野菜工場 沖縄市のNPO法人・初穂


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中心市街地活性化を目的に一番街商店街に開設された野菜工場=9日、沖縄市の一番街商店街

 【沖縄】障がい者自立支援センターを運営するNPO法人の初穂(仲原エムリ理事長)は9日、沖縄市の一番街商店街に空き店舗を利用した野菜工場を開設した。

開設式では、工場で取れた野菜が関係者や通行人らに振る舞われた。仲原理事長は「一番街を活性化しながら、消費者へ安心安全な野菜を届けたい」と意気込んでいる。
 一括交付金を活用した市中心市街地活性化事業の一環。同センターの利用者4人を雇用しており、障がい者の自立支援の側面もある。
 約110平方メートルの建物敷地内で、水菜や小松菜などの葉野菜を無農薬で水耕栽培している。蛍光灯を1日12~16時間照射。無菌状態に近づけるため、工場に立ち入る際にはエアシャワーの後、マスクや帽子、専用の作業着を着用する。一番街側に設けられた窓からは、工場内の様子を見ることができる。年間900万円の売り上げを見込んでおり、商店街の小売店や市内外のスーパーで販売される。
 開設式で自ら野菜を収穫し、試食した東門美津子市長は「シャキシャキしていておいしい。新鮮な野菜を食卓に並べられるのは主婦としてうれしい」と笑顔を見せ、「一番街の目玉になる」と力強く話した。
 仲原理事長は「生産者の顔が見え、安心な野菜を届けられるのはもちろん、障がい者が地域の中で働くことで理解が深まる」と期待した。
 野菜を試食した町田隆之介ちゃん(4)=沖縄市=は「とてもおいしいので、たくさん食べられる」とほほ笑んだ。同法人では収穫体験も計画している。問い合わせはNPO法人・初穂(電話)098(989)7439。