高校の体罰 調査 県教育庁、年度内に


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 県教育庁(大城浩県教育長)が県立高校を対象に体罰の有無や現状を把握するための実態調査を実施することが16日、分かった。大阪市の市立高校で男子生徒が部活動顧問の教諭から体罰を受けて自殺した問題を受けたもので、ことし3月末までに実施する予定。

同庁県立学校教育課は「以前から教員を対象に体罰を防ぐための研修を実施している。大阪だけでの問題ではなく、県内の教員にもさらなる意識啓発を促していきたい」と話した。
 調査方法や対象は検討中。県立学校教育課は「調査方法・対象や体罰の定義等も含めて、文部科学省と調整する必要がある。県教育庁として調査に取り組むのは、おそらく初めてではないか」としている。
 同日開かれた県教育委員会定例会でも、大阪の問題を受けて、県内の学校現場での体罰問題について意見が交わされた。安里政晃委員は「体罰による自殺がメディアで取り上げられている。県内での事例が報告されていないにしても、保護者は実態が気になるはずだ」と指摘。また、富川盛武委員は「教育委員として(体罰等の)県内の実態を把握しなければならない。対応策を協議するためにも情報提供をお願いしたい」と述べ、早急な実態調査実施を求めた。
 体罰に関しては、同庁保健体育課が、部活動の指導で体罰が行われないよう徹底を求める注意喚起文書を、18日までに県立高校と公立小中学校を所管する教育事務所に送付する。同課によると、これまでに県内で部活動での体罰の報告はないという。
 県立学校教育課も生徒指導などでの体罰に関する注意喚起文書を25日までに県立高校へ送付する。同課によると、これまでに県立高校で確認された体罰は2007年と09年に報告された2件で、いずれも体罰を行った教員は懲戒処分となっているという。