那覇市、生活保護を誤支給 過大、過少計1729万円


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 那覇市福祉事務所は25日、同市役所で記者会見し、2008年12月分から、約2年6カ月にわたり生活保護を受給する41世帯に対し総額約1352万1千円の過大支給、約2年8カ月にわたり26世帯に総額約377万9千円の過少支給を生じさせていたことを明らかにした。

市によると、当時、同事務所のケースワーカーだった正規職員2人が各世帯から収入変更届を受けた後、保護費の支給額へ反映させるための電算入力を怠ったため、本来支払うべき額と実際の支給額に差額が生じたという。
 同事務所の久場健護所長は会見で、職務怠慢があったとして「(関係世帯に)ご迷惑を掛け、心からおわびしたい」と謝罪した。
 この職員のうち、1人は21世帯に対して総額約687万円を過大支給、11世帯に対して総額約134万6千円を過少支給していた。他に1世帯へ約24万1千円の支給不足があったが、既に支払ったという。別の1人は20世帯に対して総額約665万1千円を過大支給、15世帯に総額約243万3千円を過少支給した。
 生活保護は、「最低生活費」を受給世帯の収入が下回る場合、差額を支給する。通常は収入の変更届を電算処理した後に保護台帳へ記入するが、2人は記入せず、管理職も記入漏れをチェックしていなかった。
 10年5月に同課班長が保護費の変更事務の滞りに気が付き発覚。班長が口頭指導した後も改めていなかった。市は「上司の指導を聞かなかったが、チェック体制も弱かった」と話した。
 2人は現在は他部署に勤務。市は2人と当時の管理者の処分を検討している。市は過大支給の世帯に返還を求めているほか、過少支給した世帯への支払いは厚生労働省と協議する。