宜野座漁協が反対へ 来月、大会で決議 辺野古移設


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 【宜野座】日米政府が米軍普天間飛行場の移設先としている名護市辺野古の南方で漁を営む宜野座漁業協同組合(城間盛春組合長)は25日、埋め立て工事や完成後の訓練によって漁場環境の悪化が強く懸念されるとして、3月中に移設反対を決議する漁民大会を開催する方針を決めた。

同漁協が移設に反対する決議や大会を開くのは初めて。
 宜野座漁協は来週には理事会を開き、大会開催を正式に承認するとともに周辺漁協にも賛同を求める。
 同漁協のメンバーはこれまで、全県的な移設反対の流れに賛同する意見が強かったものの、静観してきたという。同じく海を生活基盤とする名護漁協が「条件付き容認」の立場で沖縄防衛局と埋め立て申請に向けてやりとりしていることに「宜野座のウミンチュの生活が脅かされる危機が差し迫った」(城間組合長)として、声を上げることを決めた。
 本島沿岸では、各漁協に漁業権が与えられた海域があり、宜野座漁協は、名護市久志以南からうるま市石川沖まで、金武漁協や石川漁協とともに15種の共同漁業が認められいる。海域内にはモズクの養殖特区などが13カ所あり、北側は名護市にある米軍キャンプ・シュワブの提供水域に含まれるほど移設先と近い。
 このため、埋め立てに伴い、南下する潮流によって水質汚染が宜野座沖に広がることや、完成後の潮流の変化を不安視している。宜野座沖では米軍の水陸両用車両がサンゴを破壊する事案も起きており、運用開始以降の訓練による事故や米軍機の騒音が不漁に追い打ちを掛けるとの懸念もある。
 城間組合長は「移設によって宜野座の海や漁師は被害を受けるが、環境影響評価は宜野座まで行き渡らず、国にないがしろにされている。米軍は事故を起こしても補償もせず、やりたい放題だ。静観しては100年後の後輩に顔向けできない。移設反対を強く打ち出していく」と語った。