名護漁協に埋め立て同意申請書提出 辺野古移設で沖縄防衛局


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 【名護】米軍普天間飛行場の名護市辺野古沿岸への移設に向け、沖縄防衛局は26日午前9時前、名護漁協に公有水面埋め立ての同意申請書を提出した。同意は漁協の総会で承認を得る必要があるが、同漁協の古波蔵廣組合長は「多くの組合員は条件によっては賛成するだろう」との見通しを語っている。

 仲井真弘多知事は「これ(同意するか)は漁協の判断なので、私がここで示唆する立場ではない」とした上で「県としては現行案は事実上不可能、県外移設を求めるという立場に変わりはない」とあらためて述べた。
 名護漁協によると、防衛局職員2人がせり中の担当職員を訪ね、同意申請書の入った封筒を手渡した。同意申請書はA4判1枚。東京出張中の古波蔵組合長が戻り次第、対応を協議する。
 小野寺五典防衛省は26日の閣議後会見で同日中に申請する考えを明らかにし、「埋め立てには名護漁協の同意も必要だ。沖縄の基地負担軽減のために、日米合意に基づいて対応したい」と述べた。今後、漁業補償の金額などについて具体的な協議に入る。
 移設に向け政府は、仲井真知事に埋め立て申請する準備を詰めており、申請時期を調整している。知事への申請は名護漁協の同意がなくても可能だが、知事が埋め立てを許可するには漁協の同意書が必要となる。
 一方、名護市東海岸に隣接する宜野座村の宜野座漁協(城間盛春組合長)は、埋め立て工事や完成後の訓練によって漁場環境の悪化が懸念されるとして、3月中に移設反対を決議する漁民大会を開催する方針。
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