グアム移転20年までに完了 米太平洋軍、在沖海兵隊で計画


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 【米ワシントン7日=松堂秀樹本紙特派員】日米両政府が合意した在沖海兵隊のグアム移転について、米太平洋軍が5千人弱の移転を2020年までに完了する計画を立てている。ハワイへは2700人を26年までに移転させる計画。同軍のロックリア司令官の議会証言などで明らかになった。

日米両政府は12年4月、グアム移転について「可能な限り早急に完了させる」と合意したが、具体的な時期が示されたのは初めて。ただ、米国防費の削減で、20年までの移転は不透明な要素もある。
 米政府筋は移転開始時期について、海兵隊受け入れに必要なグアムでのインフラ整備が順調に進めば「17年か18年となる可能性がある」とした。一方、議会筋は「国防費の強制削減が移転に影響を及ぼす」と指摘するなど、実現性を疑問視する声も出ている。
 ロックリア氏は公聴会に先立ち、5日の下院軍事委員会に提出した書面で「グアムへは20年、ハワイへは26年までに移転させることを想定している」とした。
 日米両政府は当初、グアム移転の完了時期を14年としていたが、環境影響評価の遅れなどから12年の共同文書で「14年以降のできるだけ早い時期」に修正。日本政府は移転完了時期を明らかにしていなかった。
 米国防費は13会計年度(12年10月~13年9月)から大幅に削減される見通し。エイモス米海兵隊司令官は2月の下院軍事委員会の公聴会で「国防費が強制削減されれば(グアム移転の)予算が確保できず、非常に大きな影響が出るだろう」と指摘しており、実現性に不確実な要素が出ている。