生ごみから「元気野菜」 エコマールで講習会


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生ごみを活用した土作りを実演する吉田俊道さん=17日、南風原町新川のエコマール那覇プラザ棟

 那覇市4R推進事業のシンポジウム&セミナー(主催・那覇市、企画運営・アースの会)が17日、南風原町新川のエコマール那覇プラザ棟で開かれた。

長崎県のNPO法人大地といのちの会理事長の吉田俊道さん(53)が生ごみを活用した「元気野菜作り」を指導した。吉田さんは「いい土で作ったおいしい野菜は害虫も付かない。味も全然違う」と話し、約80人の参加者は土作り体験などを通して環境問題への意識を高めた。
 吉田さんは、長崎などでは生ごみを多くの農家が活用し「土作りの微生物に生ごみは一番。生ごみをみんな欲しがって不足している」と状況を報告。土作りの実演では「この部分は最高。これは硬くて微生物が食べづらいから細かくして」など、野菜の皮などをちぎって説明。土、ぼかし(発酵肥料)を混ぜて土の作り方を指導し、水はけをよくすることや、新鮮な生ごみを活用することなどポイントを説明した。
 吉田さんは生ごみを活用して作った大根、ニンジン、ピーマン、ナスを果物のように生のまま食べる子どもたちを映像で紹介。「本当においしい野菜は争うように食べるし、排便の質も変わる。生ごみ活用の仕組みづくりに行政も加わると影響が大きい」と語った。
 シンポジウムでは半年間ごみ減量に取り組んだ「パラソルの会」「かりゆし長寿大学火曜日コース有志」などモニター団体ら38世帯136人の成果を報告。生ごみを乾燥させて捨てることなどで22・7%のごみ減量に成功した。講評した花城梨枝子琉球大教授は「よく頑張った」と参加者の労をねぎらった。