普天間移設 知事「県外」を要求 官房長官は「辺野古」強調


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就任後初来県し、仲井真弘多知事(右)と会談する菅義偉官房長官=3日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 菅義偉官房長官は3日、就任後初めて来県し、那覇市内のホテルで仲井真弘多知事と会談した。仲井真知事は政府の米軍基地負担軽減策に関して「(普天間飛行場の)移設先以外は全部賛成だ。(名護市辺野古移設は)時間がかかるので県外移設をと申し上げている」と述べ、県外移設を重ねて求めた。

政府が28日に開く「主権回復の日」式典については「県内でいろいろ議論がある」と説明し、自身の出席については「考えている最中だ」と述べるにとどめた。
 両者の会談は昼食を取りながら行われた。副知事や菅氏の随行者らが同席した冒頭は公開されたが、知事と菅氏2人だけの会談は非公開で行われた。
 会談で菅氏は基地負担軽減策や振興策の充実に努める政府の姿勢を強調。沖縄側の軟化を促したい思惑がにじんだが、知事は普天間飛行場の県外移設をあらためて主張。政府と県の溝は埋まらなかった。
 知事は、政府が提出した辺野古沿岸部の埋め立て承認申請書には「きちっと内容をチェックする。結構時間がかかる」と述べた。
 菅氏は普天間問題について「固定化は絶対あってはならない。これまでの日米合意に基づく中で進めていきたい」と述べ、辺野古移設に重ねて協力を要請した。「主権回復の日」式典には「沖縄を含めたわが国の未来を切り開く決意を新たにする式典にしたい」と趣旨を説明し、理解を求めた。
 知事が嘉手納より南の施設・区域返還で「めどを付けてほしい」と求めたことに対し、菅氏は「鋭意努力している」と答えるにとどめ、詳細は示さなかった。
 菅氏はこの日、普天間飛行場や那覇空港第2滑走路の建設予定地を視察。那覇市内の地元報道各社を相次いで訪れ、夕方帰京した。