仲間、1万メートル大会新 陸上沖縄選手権第1日


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大会記録を26年ぶりに塗り替え、男子一般1万メートルを制した仲間孝大(右)=18日、県総合運動公園陸上競技場(花城太撮影)

 陸上の第64回沖縄選手権兼国民体育大会選考会は18日、県総合運動公園陸上競技場で開幕した。男子一般1万メートルは仲間孝大(経営支援センター)が30分39秒54で制し、大会記録を26年ぶりに塗り替えた。

 女子一般走り高跳びは徳本鈴奈(那覇西高)が大会記録まであと1センチの1メートル68で頂点に立った。男子一般400メートル障害では、津波古陸斗(名桜大)が大会記録に0秒04と迫る53秒41で優勝し、200メートルは与那原良貴(那覇西高)が向かい風2・1メートルの中で22秒03と好記録をマークして1位となった。

◆“省エネ走” 仲間、抜群の安定感

 雲の隙間から差し込む強い日差しを受けても、表情が崩れることはなかった。
 男子1万メートル。安定したペースで一人旅を続けた仲間孝大が、26年ぶりに大会記録を塗り替える30分39秒54で制した。「ゆとりのある走りで30分45秒が目標だった。予定よりちょっときつかったけど、暑さを考慮すれば、これだけ走れたらいいかな」。29分36秒の自己記録を持つ王者は、余裕の笑みを浮かべた。
 足を蹴り上げすぎず、推進力を生かして淡々とペースを刻む「省エネ走法」が特長。他の選手には目をくれず、2000メートル以降、1000メートルごとのタイムを3分3秒~6秒でまとめた。
 興南高出身で、この春に順天堂大大学院を卒業したばかり。県内企業に勤務する傍ら、大学院での研究を生かして自ら練習メニューを組み立てる。実業団や特定のチームに属さないスタイルは、マラソンで活躍する川内優輝(埼玉県庁)や藤原新(ミキハウス)をほうふつとさせるが「他の選手のことは気にしない」とそっけない。それでも「私を見て『自分もこれぐらい走れるかも』と思ってもらえれば」と地元でライバルの出現を待ち望む。
 普段はロードレースが主戦場だ。8月の北海道マラソンに出場予定で「県記録(2時間19分23秒)を狙いたい」と照準を定めている。(大城周子)