幸花ちゃん、初めて伊江島に帰る 出生時407グラムの超低体重


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6月に完成予定の新居と城山を背に、3人での新生活を喜ぶ金城幸人さん、奈津子さん、幸花ちゃん=15日、伊江村川平

 【伊江】2012年1月に407グラムの超低出生体重児で生まれた金城幸花(さちか)ちゃんが12日、伊江村に帰ってきた。体重約7100グラム、身長65・1センチまで成長した幸花ちゃんは、時折つかまり立ちするなどして元気な姿をみせている。家族3人の生活がスタートすることに、父親の幸人さんは「やっと帰ってこられた」とほっとした様子。「不安もあるが楽しんでやっていきたい」と話した。

 母親の奈津子さんは妊娠中、妊娠高血圧症を患い、予定日より16週早く幸花ちゃんを出産。産後半年は県立中部病院で入院生活を送った。肺機能を補うための酸素療法や、月に1回の通院、ぜんそくなどの急病に備え、退院後も島には戻らず、恩納村の奈津子さんの実家で暮らしていた。4月に酸素療法が終わったことをきっかけに、帰村を決めた。
 幸人さんが週に1回、奈津子さんの実家に通うという生活。会えない日は奈津子さんからのメールや電話を毎日もらい、幸花ちゃんの状態を確認した。幸人さんは「体重が増えたり、寝返りがうてるようになったなど日々の成長の報告を受けるのが楽しみだった」と振り返る。
 幸花ちゃんは大きな病を患うことなく順調に育ち、現在は本来の予定日だった4月生まれの赤ちゃんとそれほど差はないという。奈津子さんは「実際は1月生まれなので同級生と比べるとまだ小さい。学校に通うまでに追い付けば」と願いを込めた。幸人さんは「島の人たちにたくさん心配をかけた。お世話になった人たちに感謝したい」と話した。