「15歳へのバトン」出版 興南中高生が著名人21人インタビュー


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出版された本「15歳へのバトン」を手に笑顔を見せる(左から)島袋海理君、大見謝望君、大坪聖奈さん、門林良和教諭=6月26日、那覇市の興南高校・中学校

 教室を飛び出し、興南高校・中学の生徒たちが県内外の著名人21人に実施したインタビューを収めた書籍「15歳へのバトン」が6月23日、出版された。

同書には、仲井真弘多県知事やジャーナリストの池上彰氏らが、自らの子ども時代に触れながら、働くことや学ぶことについて語り、未来の沖縄を担う若者への言葉が盛り込まれている。インタビューをした生徒たちは「大人じゃなくても、有名人の話を聞けるし、本も出せる。この本を読んで視野を広げてほしい」と満面の笑顔で語った。
 本を出版するきっかけは、2011年に始まった興南中高生によるインタビュー企画「夢のバトンプロジェクト」(代表・門林良和同校教諭)だ。「社会に発信し、社会を変える経験をさせたい」との思いから、門林教諭は著名人と対話する機会を生徒に提供してきた。最初は事前に用意した質問事項を聞くので精いっぱいだった生徒たちも、回数を重ねるにつれ、臨機応変にインタビューする技術を身に付けていったという。
 中学3年から企画に参加している興南高校2年の島袋海理君(17)、大見謝望君(17)、大坪聖奈さん(16)は「インタビューを通し、話すことだけでなく、人の話を聞く大切さを知った」「大人と関わって礼儀や丁寧な言葉遣いも身に付いた」と自身の成長を実感できた様子だ。
 同書は1050円(税込み)。県内の書店やボーダーインクのホームページで購入できる。売り上げの一部は、沖縄の子どもの貧困や孤立を解決するために活動する団体やNPOを支援する「沖縄まちと子ども基金」(みらいファンド沖縄主催)に寄付される。(仲宗根祐希)