社会

社会参加へ事業展開 聴覚障害者情報センター

iPadのテレビ電話機能を介して手話でやりとりする「沖縄聴覚障害者情報センター」の職員=那覇市首里石嶺町の同センター

 県内の聴覚障がい者を支援する拠点として昨年4月、那覇市に開所した「沖縄聴覚障害者情報センター」(比嘉豪施設長)の事業が軌道に乗りつつある。手話通訳者の養成・派遣、相談支援、字幕や手話を挿入したDVDの貸し出しなど、聴覚障がい者や難聴者の社会参加を促すために幅広い事業を展開。手話通訳者が少なく、情報を得る手段が限られている離島在住の聴覚障がい者や難聴者向けの情報発信にも力を入れている。

タブレット型多機能端末「iPad(アイパッド)」のテレビ電話機能を活用して、センターの相談員が離島在住者の生活相談を手話を介して受けているほか、講演会などの催し物の情報を発信している。
 昨年4月以降、手話通訳者の派遣依頼は約140件、盲ろう者向け通訳介助員の派遣依頼は約820件あった。
 相談は1日当たり平均3件から5件寄せられ、相談員が電話で応じるほか、外出が困難な利用者に対しては自宅を訪問することもある。
 センターは今後、官公庁や空港の案内所に情報機器を設置して、テレビ電話でセンターとつなぎ、窓口を訪ねた聴覚障がい者らが、センターにいる手話通訳者を介して、情報を得られる環境を整えたい考え。予算が確保できれば、情報機器の貸し出しの導入も目指す。
 比嘉施設長(61)は「ニーズに応じて運営内容をさらに充実させたい。iPadやスマートフォンの使い方講座も開きたい」と意欲を見せた。
 利用者の1人、石垣市在住の本村明さん(57)は「通信機器を利用することで本島へ出掛けなくても、相談ができるようになった。安心している。センターができてとても良かった」と開設を喜んだ。
 その上で「病院、消防署、警察署などにも通信機器が設置されると、より多くの聴覚障がい者の支えになると思う」と提案した。
 同センターの連絡先は(電話)098(943)6617、ファクス098(943)6556 Eメール Oki-deaf1@otjc.org
 (高江洲洋子)