知念、重量挙げ53キロ級頂点 北部九州総体第7日


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重量挙げ53キロ級 ジャークで113キロを挙げる知念勇斗(豊見城)=3日、長崎県立諫早農業高校(大城周子撮影)

 【北部九州総体取材班】全国高校総合体育大会「未来をつなぐ 北部九州総体」の重量挙げが3日、長崎県諫早市で始まり、53キロ級の知念勇斗(豊見城)がトータル199キロ(スナッチ86キロ、ジャーク113キロ)で頂点に立った。

知念は今年3月の全国高校選抜大会に続く全国制覇。62キロ級では平仲康太郎(豊見城)がトータル217キロ(99キロ、118キロ)で3位と健闘した。
 佐賀県嬉野市で開催中のなぎなたでは、演技の玉那覇葉月・慶留間幸音組(知念)が準優勝を飾った。

◆大胆攻め完璧試技 「努力で大きな人に勝てる」
 表彰台の一番高い所に立ち、金色に輝くメダルを首に掛けられると、あどけない顔がほころんだ。53キロ級で2年知念勇斗(豊見城)が計6度の試技を全て成功し、スナッチ、ジャーク、トータルを完全制覇した。身長149・3センチ。隣に並ぶ選手たちより小さな体が、大きく見えた。
 慎重かつ大胆に栄光をつかみにいった。スナッチは83、85キロをあっさり成功させ、他の選手が85キロで並ぶと、自己タイの86キロで勝負を付けた。ジャークは2回目の107キロで優勝を決めた後、最終試技直前に、自己ベストを3キロも上回る113キロに変更。バーベルを肩まで引き上げ、顔をゆがめながら勢いよく頭上に差し上げた。成功を告げるブザーに緊張は一気にほぐれ、両手の拳を突き上げて喜びを爆発させた。
 中学時代はバドミントン部に所属。歩幅や打点などでハンディを感じていたといい、重量挙げと出会ってからは「体が小さくても、努力すれば大きな人に勝てる」とのめり込んだ。下半身のバネや、瞬発力が求められる競技。野球、水泳、バドミントンとさまざまなスポーツを経験したことも、今につながっている。
 春の選抜大会に続く全国制覇。団体優勝を狙うチームにも勢いをもたらした。「どんどん記録を伸ばして成功率も高い選手になりたい。国際試合にも出て上位に入りたい」。しっかりした口調に、夢は尽きなかった。(大城周子)