県内の行政委員会報酬額、日額制は2行政委員会のみ


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 全国知事会が提言していた行政委員会の報酬見直しに関し、県が設置する9行政委員会のうち、非常勤職の委員報酬を月額制から日額制に改定したのは、海区漁業調整委員会と内水面漁場管理委員会の二つにとどまっている。

独立した地位や権限を有する行政委の報酬をめぐっては、年数回の活動実績に月額報酬は適さないとして争われた住民訴訟を受け、日額への移行が全国で相次いでいた。
 2009年の本紙調査では、勤務が月1日でも月額報酬が支給され、海区委では委員1人当たり月5万5千円(会長6万8千円)、内水面委では同4万2千円(同5万2千円)が支払われていた。県の行政委65人の報酬合計が年1億円に上る実態も明らかになった。
 県は海区委と内水面委については定例会以外に業務量が増えないとして、今年の2月議会での条例改正を経て4月から日額制に移行。両委員会とも委員1人当たり日額2万7千円(会長3万円)に改定した。
 ただ残りの行政委については「会合出席以外でも専門知識の情報収集などに努めており、月額に見合う活動をしている」(人事課)と改定は予定していない。
 地方自治法は行政委員の報酬について、勤務日数に応じて支給することを定めているが、条例で特例を定めることができる。沖縄では1972年の復帰時に全国に準じて設定されて以降、知事や特別職の報酬改定に合わせ改定してきた。
 ただ行政委員の報酬をめぐっては「勤務実態に合わない」といった批判もあり、10年には全国知事会が行政改革白書に行政委の報酬見直し方針を盛り込んだ。一方、11年には、滋賀県で争われた住民訴訟で一審、二審の報酬支出差し止め判決に対し、最高裁が月額払いを適法と判断した。