「県産肉」需要開拓へ 県畜産公社 プログラム始動


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 県畜産振興公社(赤嶺勉理事長)は、2011~12年度に作成した「沖縄食肉等需要開拓対策 需要開拓プログラム」の本格的な運用を開始した。

生産基盤強化が中心の県食肉価格安定基金(105億円)の活用事業のうち、唯一の販路開拓事業。県内外へのプロモーションや調理法の普及、将来的なテーマパーク型観光施設の整備可能性調査なども実施する。11月を県の「畜産月間」に制定することも視野に入れ、牛、豚、鶏の県産食肉の需要拡大を図る。
 事業はプログラムの作成に2年、実施期間に3年をかけ、総事業費は2億5千万円。県食肉価格安定基金の活用事業としては、と畜場や餌の生産工場など生産基盤整備事業が多い。
 県畜産振興公社の担当者は「ハード整備でモノが増えれば、出口となる販路も必要となる」と説明。生産者と食肉取扱業者とのパートナーシップ協定の締結支援なども進め、販路の安定につなげる。
 プログラムには出産を終えた経産牛の加工品開発や県内で需要が少ない豚肉ロース、ウデ、モモ肉の調理方法検討、県産鶏肉と海外産との差別化など全15項目を盛り込む。長期的に販路を持続させるため、乳搾りやソーセージ作りなどが体験できる観光施設の整備可能性調査や海外へのプロモーション強化なども含まれている。
 一方、11月29日を「いい肉の日」に設定している県内では、県内和牛の品質などを競う県畜産共進会も毎年同月に開かれるなどイベントが多い。同事業では今年から11月を「畜産月間」に制定することを視野に入れ、共進会の会場で県産食肉の試食販売や消費者との交流ができる「第1回畜産まつり(仮称)」の開催も計画している。
 担当者は「生産者の顔が見える場をつくりたい。買い手と売り手に接点があれば、安心・安全のPRにもつながる」とイベントの効果を説明した。(長嶺真輝)