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「辺野古」移設で既に295億 シュワブ陸上で工事

 【東京】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設関連事業が、2006年の米軍再編合意以降で242件実施され、事業総額は約295億円に上っている。うち172件、192億円が移設先のキャンプ・シュワブの陸上部分の設計業務を含む工事費だ。

県が県外移設を強く求めるなど、移設に対する理解が得られない中、政府は移設を前提としたシュワブ陸上部の整備事業を先行させている。
 移設事業の実態は笠井亮衆院議員(共産)の国会での質疑や防衛省の提出資料で明らかになった。
 事業は辺野古沖の埋め立てに関する環境影響評価(アセスメント)調査費などのほか、シュワブ陸上部分での隊舎や倉庫、管理棟などの建設、造成工事などを実施。13年度予算では訓練施設建設費などで関連費41億円を計上している。
 米上院歳出委員会は14会計年度(13年10月~14年9月)の軍施設建設費などに関する歳出法案で、辺野古移設の見通しが不透明であることなどを理由に、在沖海兵隊のグアム移転費8600万ドル(約84億円)を全額削除している。
 削除は3年連続。米議会は移設の実現性を疑問視して予算執行を凍結しているのに対し、日本側では移設関連事業として毎年米軍施設整備が進み、支出が膨らんでいる形だ。
 笠井氏は「移設を前提とした工事を先行して進めることは県民に対する背信行為」と批判し、陸上部分の工事中止を求めているが、防衛省は「陸上工事は代替施設とは直接関係のない建築物を整備している。飛行場区域を除いた区域での実施だ」(左藤章政務官)などと説明している。
 実施された関連事業は06年度30億円(30件)、07年度51億円(52件)、08年度86億円(62件)、09年度11億円(10件)、10年度11億円(13件)、11年度50億円(48件)、12年度54億円(27件)。
 県内移設見直しを掲げて鳩山由紀夫首相(当時)が就任した09年9月の民主党政権発足後も、陸上部分などの事業が実施されていた。
 (問山栄恵)



琉球新報