採択権は県教委に 県立学校の教科書選定


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 県教育委員会(新垣和歌子委員長)は23日の定例会で、これまで規則に明記していなかった県立学校の教科書採択権の所在について、権限は県教委が持ち、専決(決裁)は県教育長が行うことを明文化することを決めた。

教育長は専決後、県教委の定例会に報告する。作業の流れは従来と変わらず、県教委と県教育長の役割を明確にした形だ。
 明文化する背景には、八重山教科書問題や東京都教育委員会の教科書変更問題など、教科書採択の手法が問題化していることがある。県教育委員から「県教育委と県教育長の権限をきちんと規則に書いてほしい。教科書採択の手順を分かりやすく示すべきだ」と意見があり、庁内で検討を進めてきた。他県でも同様の例が見られることから今回、規則と訓令を改正する。
 県立学校(県立高校と特別支援学校)の教科書採択の過程は、学校が校内選定委員会で教科書を選び、校長が教育庁に報告する。毎年約740種類の教科書が挙げられるという。その報告を庁内の指導主事でつくる教科書採択審査会が確認し、最終的に教育長が決裁する。その後、文部科学省に冊数報告し、同時に県教育委にも諮る。
 県立学校教育課は「どちらか一方に権限が集中しないよう、チェック機能を働かせている。それを明文化したことは一歩前進だ」と話している。