社会

辺野古阻止へ新訴訟 ジュゴン原告団、米国内で検討

今回の訴訟の狙い

 政府が米軍普天間飛行場の移設先とする名護市辺野古沖に生息する国の天然記念物ジュゴンの保護を求めた沖縄ジュゴン訴訟原告団が、埋め立てに着工することになった場合、日本政府が米軍施設内に立ち入るのを許可しないよう米国の裁判所に提訴することが5日までに分かった。

基地建設主体の日本政府への立ち入りを許可させないことで、埋め立てに着手できないようにする狙いがある。
 米国の国家歴史保存法(米文化財保護法=NHPA)は、米政府に対して世界各国の文化財保護を求めている。米政府が他国の文化財に対して影響を与える場合、影響について考慮しなければならないと定めている。原告団はこれを根拠に、絶滅危惧種ジュゴンを守るため、米国防総省は日本政府に対して基地への立ち入りを許可しないようサンフランシスコ連邦地裁に訴えを起こす考えだ。
 提訴の時期は、県知事が埋め立て申請を承認するか、承認しなかった場合は政府が代執行を求めて提訴する段階をめどにする。日本環境法律家連盟代表で同訴訟の事務局長を務める籠橋隆明弁護士は「いつ着工してもおかしくないような段階になるまではできない」と話している。
 立ち入り許可は米政府の権限の範囲内のため、米国内の訴訟で差し止めることが可能だという。
 原告は、2003年に提訴した沖縄ジュゴン訴訟と同じ日米の環境保護団体や個人。前回の訴訟では中間判決でジュゴンが国家歴史保存法の適用対象となることや、ジュゴンへの影響を評価していないのは同法違反に当たると判断され、事実上勝訴した。
 籠橋弁護士は「前回の訴訟はジュゴンの保護措置を考えましょうという内容だが、今回は工事を止める訴訟になる。アメリカの環境関連法は(自然破壊に)厳しいので、日本で訴訟するよりも勝算はある」と話した。
 訴訟団は9日午後1時半から沖縄大学で「基地建設を阻止するぞ!~沖縄ジュゴン『自然の権利』訴訟」と題したシンポジウムを開く。籠橋弁護士や米国内でのジュゴン訴訟代理人サラ・バート弁護士らが登壇する予定。(沖田有吾)
英文へ→Dugong plaintiffs consider new action in U.S. to block Henoko landfill



琉球新報