離島奪還訓練で車両90台、人員330人を搬入 那覇新港


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市民団体が抗議する中、那覇新港に搬入され、県内の自衛隊基地に向かう第41普通科連隊と西部方面航空隊の車両=8日午前10時すぎ、那覇新港

 離島奪還訓練の一環として陸海空の3自衛隊による統合訓練(実働演習)に向け、陸上自衛隊第41普通科連隊と西部方面航空隊の人員330人、車両約90両が8日午前、民間輸送船で那覇新港に搬入された。那覇新港では沖縄平和運動センターを中心とした市民団体が集まり「戦争準備の訓練はやめろ」「自衛隊は帰れ」などと抗議の声を上げた。

 民間輸送船は午前8時ごろ那覇新港に入港。車両の運び出し後、市民団体と約1時間半にわたり、にらみ合いが続いたが、午前10時ごろ、自衛隊基地に向け車両が港を順次出発した。
 自衛隊によると、入港した部隊は陸上自衛隊那覇駐屯地、航空自衛隊与座岳駐屯地、海上自衛隊勝連基地の3カ所に展開する予定で、西部方面航空隊は航空飛行訓練に当たり、普通科連隊は基地警備などの訓練をする。
 緊急抗議集会を開いた沖縄平和運動センターの山城博治議長は訓練による自衛隊の展開について「有事態勢を常態化するものだ。沖縄を戦場にすることは許されない」と憤った。市民団体のメンバーらは座り込みなどで抗議の意思を示した。
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