PCB汚泥搬出開始 恩納分屯基地、福島県で処理へ


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PCB混入汚泥を詰めたドラム缶を運搬車両に詰め込む作業員ら=12日、恩納村の航空自衛隊恩納分屯基地

 【恩納】航空自衛隊は12日、村内の米軍基地跡地で発見され、同隊恩納分屯基地で保管していた有害物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)を含むドラム缶約1800本分の汚泥を福島県内の処理施設で処分するため、搬出作業を始めた。

 PCB混入汚泥の内訳は、1996年に米軍の旧恩納通信所跡地で見つかった約104トンと、米軍施設を引き継いだ同分屯基地から2002年に発見された約216トン分。搬出は来年3月までに終了する。
 航空自衛隊はこの日、ドラム缶112本を運搬車両に詰め込む作業を報道陣に公開した。
 恩納通信所跡地で発見されたPCBについては、米軍嘉手納基地内で保管する案もあったが、米軍側が返還跡地の原状回復義務を免除している日米地位協定を理由に保管を拒否したため、同分屯基地で仮保管されていた。
 搬出作業を確認した池宮城秀光恩納村副村長は「本来は米軍が処理するべきものだ。それを阻む不平等な日米地位協定を早期に改善すべきだ」と述べた。