「香仙」すっきりフルーティー 高専学生手作り泡盛、イヌイ菌使用


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 【名護】国立沖縄工業高等専門学校生物資源工学科の5年生37人が、仕込みから瓶詰めまで全工程を手作りした泡盛「香仙」が25日から県内酒販店で発売されている。3回目の発売となることしの「香仙」は、通常2、3種類使う酵母を「イヌイ菌」と呼ばれる1種に絞り、フルーティーな味わいを出した。関係者は「若者、女性向け」と仕上がりに満足している。

 指導した玉城康智准教授らによると、穀物の香りを前面に出す他の酵母の使用が主流となり、最近の泡盛製造で、イヌイ菌はほとんど使われなくなった。今回はイヌイ菌1種に絞ることで「昔の泡盛の個性を現代によみがえらせ、再び大手メーカーが取り組むきっかけにしたい」(玉城准教授)と選ばれた。
 出来たての香仙を試飲した同学科の名護玲奈さん(20)は「フルーティーで癖がない。泡盛は苦手だったが、飲みやすい」と満足そう。来年2月で二十歳になる城間博紹さんは「5年間頑張ってきた仲間と卒業式に飲むのが楽しみ」と期待した。
 技術指導に当たった津嘉山酒造所(名護市大中)の大城宜実さんは「すっきりして嫌みがない。若い人や女性に受ける」と太鼓判を押した。
 43度の原酒は1・8リットル4571円(180本限定、税別)、720ミリリットルが2190円(300本限定、同)。30度720ミリリットルが1600円(320本限定、同)。問い合わせは那覇酒類販売(電話)098(877)8018。

学生が全工程を手作りした泡盛「香仙」
出来たての香仙を手にする沖縄高専の学生ら=21日、名護市大中の津嘉山酒造所