那覇西高、16強進出 全国高校サッカー


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 第92回全国高校サッカー選手権大会第3日は2日、千葉県のゼットエーオリプリスタジアムなどで2回戦16試合を行い、県代表の那覇西(2年ぶり13度目)は、兵庫代表の神戸弘陵学園(13年ぶり8度目)に3―2で競り勝ち、16強入りを決めた。

那覇西は第4日の3日、千葉県のフクダ電子アリーナで前年度準優勝の京都橘(2年連続3度目)と3回戦を行う。午後2時10分キックオフ。

▽2回戦
那覇西(沖縄)
3―2(1―0,2―2)
神戸弘陵(兵庫)
▽得点者【那】上原、宮城2【神】長谷川2(PK1)

 【評】開始わずか4分でセットプレーからDF上原勘七が頭で先制した那覇西は、その後も前線で激しくプレッシャーをかけ、相手に攻撃を許さない。後半11分にもFW宮城良壽がMF新城太貴からのクロスを頭で合わせて2点目とすると、17分にも宮城が追加点を奪った。その後は足が止まり2点を失ったが、何とか持ちこたえた。神戸弘陵は後半リズムをつかんだものの、あと一歩及ばなかった。(仲本文子)

◆後半の猛追振り切る
 紆余(うよ)曲折を経て大きく成長したFW宮城良壽が、全国のピッチで躍動した。
 小学1年からサッカーを始めた宮城は、当時から足の速さを買われFWとして活躍。高校に入ってからも常にゴールに近い場所からチームを引っ張ってきた。
 しかし、昨年の全国総体から玉城監督に決定力不足を指摘され、DFへ転向した。「ずっと前に出たかった」と、守備を担う間もネットを揺らしたいと願い、シュート練習を欠かさなかった。
 夢にまで見た大舞台、そこで宮城は再び前線に抜てきされた。2回戦、1―0で迎え、そろそろ追加点が欲しい後半11分。右サイドから上がったMF新城のクロスに正面から飛び込んだ宮城が頭でネットを揺らした。23分にも、中央からドリブルで切り込み放ったシュートがネットに突き刺さった。
 勝利の立役者は「守備を経験して後方からのパスのタイミングなどが分かってきた。FWができて楽しい」と胸を張った。
 次戦は昨年準優勝の強豪・京都橘だが、勝てば県勢最高の8強に並ぶ。「最低4強、最高全国制覇」を目標に掲げる那覇西イレブン。歴史を塗り替える日は近いかもしれない。(仲本文子)

◆相手守備に圧力 何度も好機演出/MF新城
 オフェンスの主軸となるMF新城太貴は、163センチ、52キロと小柄ながら、大きな相手にも臆することないプレーが持ち味だ。
 初戦の遠野(岩手)戦から、相手GKと1対1の場面でゴール右側に際どいシュートを決めるなど、2得点1アシストで存在感を示した。
 2回戦は前線で相手守備に激しくプレッシャーをかけ続け、何度も好機を演出。2点目のFW宮城へのパスは新城がドリブルで右サイドを崩して出したもので、これを含め2ゴールをアシストした。
 大活躍にも落ち着いた様子。「次は確実に相手が格上。守備が長くなると思うけど粘り強く守りたい」と那覇西のモットーの“全員サッカー”を約束した。

◆やってきたことをする
 玉城真哉監督(那覇西)の話 早い時間に先制できたのは良かった。初戦は入りが悪かったので、前線からプレッシャーをかけるようにした。あと一つで県勢最高の8強入りだが、一戦一戦自分たちのやってきたことをするだけ。どこまで通用するか楽しみ。

◆集中力高いチーム
 谷純一監督(神戸弘陵)の話 相手(那覇西)は決定力と集中力の高いチームだと感じた。風が強いピッチで苦戦した。前半は那覇西、後半はうちに流れが来ていたが、最後に決められなかった。那覇西には自分たちの分まで精いっぱい戦ってほしい。

2回戦 那覇西―神戸弘陵 後半11分、MF新城太貴からのパスを頭で押し込む那覇西のFW宮城良壽=2日、千葉県のゼットエーオリプリスタジアム(仲本文子撮影)
初戦は2ゴール1アシスト、2回戦も2アシストと大活躍のMF新城太貴