興南甲子園連覇 国吉さん(明大3年) 公認会計士に合格


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合格証明書を手に笑顔を見せる国吉大陸さん=2013年12月、那覇市天久の琉球新報社

 2010年、甲子園で春夏連覇した興南高で、1番打者として活躍した国吉大陸さん(21)(明治大商学部3年)がこのほど、公認会計士試験に合格した。合格率8・9%という難関を突破した国吉さんは「これからいろんなノウハウを学び、将来は沖縄経済の活性化に貢献したい」と意欲を燃やしている。

 会計士の仕事に興味を抱いたのは高校時代だ。税理士の父の影響もあり、「会計のプロとして上場企業など大企業の監査をしてみたいと思った」。大学でも野球を続けてほしいという周囲の期待もあったが、在学中の合格という高い壁に挑むことに全力を注いだ。
 大学と並行して予備校に通い、1日平均8~10時間、試験直前には14時間の勉強を重ねた。毎日同じことの繰り返しに弱音を吐きそうになったときは、興南高で地道な練習に取り組んできた経験が支えになった。「こつこつと小さなことを積み重ねることが大きな成果を生む。それは勉強も同じ」
 1年生、2年生での挑戦は1次試験で不合格だった。「99パーセント受かる」と自信を持って臨んだ今回は、8月の2次試験も見事クリアし、三度目の正直で合格を射止めた。卒業後は東京の監査法人への就職も決まっている。今後は2年間の実務経験を積み、公認会計士として登録される。
 早稲田大に通う双子の兄・大将さんをはじめ、興南時代の仲間たちからも祝福を受けたという。恩師の我喜屋優監督は「読みの深い野球ができる1番打者だった。目標に向かって努力した成果だ」と喜ぶ。
 「意志あるところに道はある」が座右の銘という国吉さん。高校野球で培った粘り強さを生かし、「信念を貫き通せば夢はかなう」とさらなる飛躍を誓う。(大城周子)