那覇検察審 尖閣上陸不起訴は「不当」 「他の不法入国と違う」


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 2012年8月15日に中国人の活動家ら14人が尖閣諸島の魚釣島に上陸し不法に入国したとして、入管難民法違反の容疑で逮捕、強制送還された事件で、那覇地検が14人を起訴猶予で不起訴としたことについて那覇検察審査会は24日、「不起訴不当」の議決書を作成し発表した。議決は10日付。

 同事件は香港の活動家や漁船の船長、同行したテレビ局員が入管難民法違反(不法上陸・不法入国)の容疑で県警と第11管区海上保安本部に逮捕され、送検されずに強制送還された。那覇地検は東京都の男性からの刑事告発を受け、13年7月26日に不起訴とした。男性は同30日に検察審査会に不服を申し立てた。
 議決では、上陸した場所が日中間で政治的あつれきを生じている尖閣諸島で、容疑者は計画的に犯行に及んでいるとして「不法就労などを目的とする不法残留、不法入国とは態様が違い、過去の類似事案と同様に考えることはできない」と指摘した。また謝罪や反省の言葉もなく、再犯の可能性も大きいとしている。
 那覇地検の阪井光平次席検事は「議決内容を精査、検討して、法と証拠に基づいて適切に対処したい」と話した。不起訴不当が議決されると、検察はあらためて起訴または不起訴を決めなくてはならない。