海外識者声明103人に 広がる辺野古新基地反対


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米国を中心とした海外の有識者や文化人ら29人が7日に発表した米軍普天間飛行場の辺野古移設計画に反対する声明で、呼び掛け人のジョセフ・ガーソン氏(政治学者)らは28日、同日時点の賛同者が100人を超えたと発表した。

識者らは名護市長選で移設反対派の稲嶺進市長が再選したことを挙げ、「沖縄の人々の人権を無視する安倍晋三首相とオバマ米大統領に異議を申し立てる」と、あらためて移設断念と即時返還を求めた。呼び掛け人は計103人に上った。
 識者らはインターネットで声明への賛同署名を募っており、日本語、英語の署名用サイトを立ち上げた。今後、安倍首相とオバマ大統領に提出する方針だ。
 声明には新たに「平和研究」の父とされる政治学者ヨハン・ガルトゥング氏、オランダのジャーナリスト、カレル・V・ウォルフレン氏、ピュリツァー賞受賞の歴史家マーティン・シャーウィン氏、医師で国際的反核運動指導者のヘレン・カルディコット氏ら74人が呼び掛け人に加わった。
 28日付の発表で識者らは名護市長選の結果について「住民の多数派による新基地建設の拒否は、(辺野古沖の埋め立てを承認した)仲井真弘多知事と、米国の移設案に従うよう重圧をかけた安倍首相への不信任に相当する」と位置付けた。
 移設方針を変えない日米両政府に関して「沖縄のあらゆる抵抗をつぶす用意をしているように見える」と批判。「沖縄の人々は過去もそうしてきたように、建設を中止させるための直接行動などの反対運動を続けるだろう」と指摘した上で「私たちは沖縄の人々の平和と尊厳、人権と環境保護のための闘いを支持する」と、国際署名活動の開始を表明した。
 7日の発表では、米アカデミー賞を受賞した映画監督のオリバー・ストーン、マイケル・ムーアの両氏、ノーベル平和賞受賞者のマイレッド・マグワイア氏、言語学者のノーム・チョムスキー氏ら29人が名を連ねていた。署名サイトは日本語がhttp://chn.ge/1glVJSw。英語がhttp://chn.ge/1ecQPUJ

ヨハン・ガルトゥング氏
カレル・ウォルフレン氏