「民主主義に反しない」 首相、辺野古推進を強調


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】安倍晋三首相は29日の衆院本会議で、名護市長選の結果に反する形で米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を推進していることについて、「危険性を除去しようとする政府の取り組みが民主主義に反するとの指摘は当たらない」と述べ、名護市などの反対にかかわらず辺野古移設を推進する考えをあらためて示した。共産党の志位和夫委員長の代表質問に答えた。

 志位氏は名護市長選について「札束をちらつかせて基地受け入れを迫った政府のやり方に沖縄は屈しなかった」と述べ、「7割を超える県内移設反対を無視することは民主主義の否定だ」とただした。
 これに対し安倍首相は「普天間飛行場の危険性を除去するという基本的な考え方は政府と地元の共通の認識だ」との認識を示した。名護市長選については「地方自治体の首長選挙の結果について政府としてコメントすることは避けたい」と述べ、評価を避けた。
 連立政権を組む公明党の井上義久幹事長が辺野古移設計画について「危険性除去という原点に戻り、地元の理解を得つつ慎重に進めるべきだ」と求めたのに対しては、首相は「市街地の真ん中にある普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない。地元の理解を得て速やかな移設と返還に向け取り組む」と述べた。
 日米両政府が2024年度以降の返還に合意している米軍牧港補給地区の返還について、首相は「期間を最大限短縮することを目指す」と述べ、返還時期繰り上げに努力する姿勢を強調した。牧港地区については昨年12月、基地負担軽減策の一つとして仲井真弘多知事が7年以内の全面返還を要望し、防衛省が作業チームを設置し検討に入っている。