英訳は抜粋し米に提供 辺野古環境アセスで防衛局


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沖縄防衛局の池田宇見課長補佐(右)へ日米間の情報共有に関し説明を求める沖縄・生物多様性ネットワークら6団体=6日午前、嘉手納町の沖縄防衛局

 沖縄・生物多様性市民ネットワークなど6団体は6日、沖縄防衛局を訪れ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て申請や環境影響評価書の内容を日米両政府間でどのように共有しているのか説明を求めた。同局調達計画課の池田宇見課長補佐は、申請書や評価書の日本語版は全文を、英訳版は内容を抜粋した形で米海兵隊へ提供したと説明し「米側からは(内容について)問い合わせはない」と述べた。

 県が昨年、埋め立て申請を審査していた段階で、県と防衛局が環境保全策などに関し4回にわたって交わした質問と回答について、池田課長補佐は「提出していない」と明らかにした。
 要請後、沖縄・生物多様性市民ネットワークの吉川秀樹氏は記者団に対し「防衛局が評価書などを抜粋し米側へ提供した英訳版には、ジュゴンについては文字情報だけで、食み跡や回遊ルートなどは示されていないことが問題だ」と述べ、米側への情報伝達が不十分だと指摘した。