陸自警備部隊、石垣に2候補地 防衛省が来月決定


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 【東京】防衛省は、南西諸島の防衛強化の一環として計画している陸上自衛隊の警備部隊の配備地として、石垣市の八島町新港地区と同市宮良のサッカーパーク「あかんま」の2カ所を候補に挙げ、最終調整に入っていることが22日までに分かった。

複数の政府関係者が明らかにした。その他の配備先である宮古島市や鹿児島県の奄美大島も含め、3月までに配備候補地を決定し、地元自治体に理解を求めていく方針。
 政府は昨年12月に決定した防衛計画の大綱で、尖閣諸島をめぐる中国との対立を背景に南西諸島の防衛強化を打ち出した。大綱に基づく2014~18年度の中期防衛力整備計画に南西地域への警備部隊新設を盛り込み、配備先は石垣、宮古などが有力視されていた。
 防衛省は13年度予算に配備に向けた候補地調査費5千万万円を計上。14年度予算案では、13年度の候補地調査を踏まえて施設配置図や行程表を作成する費用6千万円を盛り込んでいる。
 新設する警備部隊は有事の際に初動を担当するほか、増派部隊の受け皿として位置付ける。対馬警備隊(長崎県)をモデルに350~400人規模の部隊を想定している。
 石垣市の配備候補地に挙がる新港地区は、北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射を予告した際、2度にわたって航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が一時展開された。サッカーパークは、隣接する農業用の底原ダムがあり、海面で発着できる海上自衛隊の救難飛行艇「US2」の使用可能性などから候補に挙がっている。
 ただ米軍基地負担に加え、自衛隊強化の動きには県内から懸念の声もある。平和団体などは、中国との緊張をさらに高めかねないとして配備の動きに反発している。